(サンプル版)
2014年2月XX日発行



■目次
1.好き!が伝わった
2.報道写真家から動物写真家へ
3.2014年のアザラシ取材を前にして
4.Q&Aコーナー
5.作品データプレゼント


動物写真家の小原玲です。

このメルマガではそんな「好き!」が美しく写る写真を目指す私の考えを皆さんに伝えて行きたいと思っています。私のライフワークであるアザラシの赤ちゃ ん、ホタルの撮影現場の様子から、写真撮影のためにどんなことを考えているか、そして「好き!」を写すコツなど、色々な「好き!」な話を共有できればと 思っています。


【1】好き!が伝わった




撮影データ:ライカR6 アポテリート280mm/2.8 +エクステンダーX1.4 フジクロームRFP

忘れられない一場面があります。

初めて私のアザラシの赤ちゃんの写真が女性誌に掲載された日、車内の吊り広告に載った写真を確認するために電車に乗っていました。そして目の前にその雑誌 を見ている女性がいました。その女性は私が撮ったアザラシの赤ちゃんの写真が掲載されているページで手を止め、ずっとずっとその写真を見ていました。数分 が経ったでしょうか、次の駅が近づいて来た時に、その女性はバッグから定規を出して、私が撮った写真を丁寧に切り抜きました。そして大事そうに手帳に挟ん でいきました。私は呆然とその女性を見送りました。

「私の写真をこんなに好き!になってくれるのか」

写真家としてこれほど嬉しいことがあるでしょうか。

当時報道カメラマンだった私は、話題になったスクープと言われるような写真は何度も撮ったことがありました。でも、どんなに話題になった写真でも、人は5秒も見れば次のページにと手を動かしていました。

私が被写体を見て「好き!」と思って撮った写真が見る人に伝わった。間違いなく、そんな瞬間でした。

「どうせ写真を撮るなら、人に大事にされる写真が撮りたい」「人に『好き!』が伝わる写真が撮りたい」 私はそう思うようになりました。

そして私は報道カメラマンから動物写真家に転身してしまいました。
そして、早25年が経ちます。

でも今でもあの写真が切り抜かれた光景を目標に写真を撮り続けています。




撮影データー:ライカR6 アポテリート280mm/2.8 +エクステンダーX1.4 フジクロームRFP


【2】報道写真家から動物写真家へ

アザラシの赤ちゃんの写真を撮り始めて、今年で25年目に入ります。

1人の動物写真家がこれほど長い期間、同じ海外の動物を追い続けるということはあまりありません。それよりも同じ時期に撮れる別の被写体を撮った方が、動 物写真家としては写真の種類が増えるので、商売の効率がいいからです。




ただ私は動物写真家になりたくてなったのではないのです。報道写真をやめたかっただけなのです。報道写真家として天安門事件、湾岸戦争、ソマリアの飢餓などを取材して、人間の悲しみを撮るの疲れてました。

報道写真という仕事は「人に物事を伝える」仕事のように見えますが、実は伝えられないことの方がはるかに多く、十見た悲しみのうちに記事になるのは、一か二です。残りは逆に私でその伝達が止まってしまいます。

そんな私がアザラシの赤ちゃんに出会って、「好き!」が伝わる喜びを知り、動物カメラマンになってしまったわけです。

このように私は「好き!」を美しく写すことを、現在の作品活動のテーマにしています。なぜこんなに「好き!」にこだわるかというと、流氷の上のアザラシの 赤ちゃんの取材を25年続け、それによって地球温暖化の目撃者になったことも大きいと思っています。




私が撮影を開始した25年前、流氷はどこまでも続く白い世界でした。ヘリコプターから見る流氷が、ただただ真っ白なので変化が少なく、移動中退屈していたぐらいです。

ところが1998年ぐらいから、流氷が少ない年が現れ始めました。
最初はエルニーニョ現象の影響だろうと、限定的なものでではないかとたかをくくっていました。しかし、その翌年も氷は少なかったです。




時々流氷が多い年もあるので、当初は地球温暖化で流氷が減ったと考えにくかったのですが、増減はしますが明らかに減って来ていると思うようになったのは 2002年頃からです。ボロボロの氷でアザラシの赤ちゃんが生まれる年が出始めました。そしてその年の氷は赤ちゃんが泳ぎの練習を始める生後十日から二週 間目ごろにかけて解けてなくなっていまいました。この年の赤ちゃんのほとんどは溺死したのではないかと考えられています。

こういう温暖化の変化を目の当たりにしてきた者として、伝えているのが「地球環境を守ろう」「自然を大切にしよう」という標語のような環境問題ではなく、 もっと根底にある「自然が好き」ということがどれだけ大事かということです。

小さな子どもに「おもちゃを大事にしなさい」と言ってもおもちゃを大事にできませんが、どんな小さな子どもでも、自分の一番好きなおもちゃは大事にします。




撮影データ:富士フイルムX-Pro1 XF35mm F1.4R F2 1/4000 ISO200 NDフィルター

「好き!」ということが一番大事なのではないか。

それが私の人生観、社会観の根底にあるのです。

今私は「好き!」を伝えることが、自分の役目ではないかと思っているわけです。報道写真をやめて動物写真家に転身するときに、これでもう人間の世界のごだごだは卒業だと思っていました。

ところがそれを20年続けていたら、流氷から「これを人間に伝えてくれ」という大きな伝言を受け取ったようなものなのです。「流氷の上での出来事を見ている写真家、ジャーナリストは貴方しかいないだろうと」

その私が一番伝えたいことは、流氷の上での出来事だけではありません。私がいかにアザラシの赤ちゃんや流氷がある自然が好きかということです。

周りまわって、「好き!」を伝える報道写真家になってしまったのかも知れません。


【3】2014年のアザラシ取材を前にして

2014年は2月26にカナダマドレーヌ島に入り、それ以降チャンスのある日にヘリコプターで流氷に飛びます。

今年は今のところ21世紀に入ってから一番氷が多い年かも知れません。なので撮影条件がとても良い可能性があります。氷が多いと出産した氷が湾の中で移動することが少なくなり、長い期間島の近くに留まります。

氷で湾がうまっていると水面から出るガスの発生が少なく、視界が悪くてヘリコプターが飛べない日が少なくなります。

ただし、温暖化の影響は氷が張る寒い時期ではなく、氷が溶け出す暖かくなる時期に現れやすいので、まだ安心はできませんが。

一昨年から私は、自分の撮影を小さなミラーレスカメラで行っています。それは大きな一眼レフよりも、小さくてシャッタ-音が静かなカメラの方が、私の「好き!」が写りやすいと思っているからです。

今年は私の愛機の富士フイルムのXシリーズの新製品X-T1と昨年発売の望遠ズームXF55-200mmがメインの機材になります。きっと私の期待に答え て大活躍してくれると思います。そんな写真も楽しみにしてください。

現地からの最新の作品は、このメルマガでもまとめて報告させていただきます。


【4】Q&Aコーナー

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